強調を表現するロシア語の重要副詞

今回は、強調などを表現する副詞について整理します。

「とても」などの表現は、極端な話なくても文章自体の意味は通じるものです。しかし、口語でも文語でも実際に使用する文章に彩りを添えるために欠かせない表現の数々でもあり、よく使用されます。ぜひこれらの語彙数も増やしておきましょう。

「とても」「じつに」など・・物事の程度を強調する副詞

形容詞や副詞を強調する副詞
動詞・文章全体を強調する副詞など

形容詞や副詞を強調する副詞

まず、基本的なものとして種々の形容詞や副詞に対して程度などを強調する役目を果たす副詞です。

  • очень:とても、すごく
    ★ これが、英語で言うと very に相当する基本の語です。
    ★「とても高い」「とても速く」などと、他の形容詞や副詞を強調します。
  • крайне:とても、すごく、ものすごく、極端に
    ★ крайний:最外の、極端な
    ★ край:縁、端、刃物などのエッジ 、地域
  • весьма:かなり、やや、とても
    ★ この語は、形容詞や副詞の強調としては程度の幅があります。
    ★ весь:全ての、全体の
  • довольно:比較的、かなり、とても
    ★ довольный は意味が少し異なり「満足である、うれしい」などを表します。
    ★ вольный:自由な вольно:自由に
  • вполне:かなり、全く、完全に
    ★ пполностью も似た意味の副詞です。
    ★ полный:全くの、完全な、満たされている полно:完全に
  • достаточно:じゅうぶんに、かなり
    ★ достаточный:じゅうぶんな、足りている
    ★ достать:達する、【手などが】とどく、入手する достигать:【数量・目的が】達する
  • действительно:本当に、じつに、とても
    ★ действительный:実際の、事実の

このように、いくらか意味の重複する複数の語が存在するわけですが、使い分けは微妙なニュアンスの違いという事になります。ある副詞が別の形容詞等から派生している場合は、そのもとの意味が大いに参考になるでしょう。

Она бежала очень быстро.「彼女はとても速く走った。」

こういった文章で、очень の部分が他の副詞である事もあり得るわけです。文法書や辞書の説明で使い分けを言葉で覚えるというよりも、多くのロシア語の文章に触れて感覚をつかむとよいでしょう。

動詞・文章全体を強調する副詞など

「特に」 「実際は」などといった、動詞や「文章全体を強調する事がある副詞・副詞的に使われる表現もあります。意味としては、修飾の対象が名詞であると捉えられる場合もあります。
これらも、多くの文章を読んでいくうえで結構重要ですね。知っておくと便利です。

  • особенно:特に、特別に、かなり
    ★ この語は形容詞等を修飾する事も、文章全体を修飾する事もあります。
    ★ особо も大体同じ意味の副詞。
    ★ особенный:特別の、特定の
  • в частности :特に
    ★ частный:特定の、個々の、プライベートの часть:部分
  • подробно:特に、詳しく、完全に
    ★「『特に』~をする」などといった文脈で使われる事があります。
    ★ подробный:詳細な
  • именно :まさに、正確に、特に
    ★ а именно:すなわち、例えば、~など【例を挙げる】
  • фактически:実際は、じつは
    ★ на деле あるいは на самом деле という表現も似た意味
    ★ фактический:実際の 【→ fact】
  • по сути:基本的には、じつは
    ★ суть:本質、重要な点、エッセンス、ポイント
  • ведь:結局、結局のところ
  • даже:~でさえも
    ★「~だけれども」(≒ хотя) という接続詞的な意味で使われる事もあり。

これらは、意味的に接続詞と同様に考えられる場合もあるかと思いますが、ここでは副詞的に捉える事のできるものを特に挙げています。

「всё-таки:にも関わらず」等は副詞として扱われますが、意味的には接続詞にも近いように思われます。

数量や時間を強調する副詞

強調と言うと何かが多い事・大きい事を指す場合もありますが、少ない事を強調する場合もあります。
「~『しか』ない」などの表現です。

また、「すでに」などの時間的な事柄を強調する表現もありますね。

意味的に強調と言えるか微妙な事もありますが、重要な語も多いのでここで整理しておきましょう。

「1人いた」という表現に対して「1人『だけ』いた」(あるいは「1人『しか』いなかった」)
という表現ができます。
  • только:・・だけ、・・しか、単独で
    ★ только что:たった今 【主に時刻】
  • лишь:・・だけ、かろうじて、わずかに 【主に数量】
  • чуть:かろうじて、わずかに、ほぼ
    ★ спо чуть-чуть は「少しずつ」を意味する表現。
  • почти:ほとんど、ほぼ、約 【数量や一般の動作】
    ★ 単純に「約」「大体」(≒примерно) の意味である場合もあるし、「『ほぼ』千人に達した」などのように数量等がある値に達するほど近いのだという事を表現している場合もあります。
  • точно:正確に、きっちり 
    ★ 数量、時刻、その他種々の表現に使われます。
  • уже:すでに
    ★ これは初歩的な表現でもよく使うので重要ですね。
    ★ уже не:もはや~ない、もう~ない
  • всегда:いつも
    ★ 単純に客観的な頻度を述べている時もあれば、「どんな時でも」くらいの強調としての表現として使われる事もあります。
    ★ как всегда:いつものように

少し例も挙げておきましょう。
例えば「だけ」「しか」という表現は次のように使ったりします。

В комнате была только одна девочка. 「部屋には女の子が1人だけいた。」
(あるいは「部屋には女の子1人しかいなかった。」)

только в 2019 году:「2019年だけで」

Они поговорили лишь пять минут. 「彼らは5分間だけ会話した。」

繰り返しますが、これらの副詞は仮に省いたとしても、一応伝えるべき事実関係等は相手に伝える事は可能です。しかし実際の文章では、話し言葉にしても書かれた文章にしても、色々と強調したい点や微妙なニュアンスを加えて伝えられる事も多いわけです。

具体的な名詞・動詞・形容詞に加えて、文章に彩りを添える副詞などの語彙数も増えると、ロシア語の文章が格段に分かりやすくなっていくでしょう。

では今回は終わります。ご覧いただきありがとうございます!

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