今回は接頭辞 пол- および полу- で始まるロシア語単語をまとめます☆
接頭辞 пол- ,полу-
■ 接頭辞としての意味「半分」「半ば」
■ 「半分」の意味のもの
■ 「半ば」の意味など
接頭辞としての意味「半分」「半ば」
接頭辞の пол- は、полу- の形の事もあります。
まず主要な意味としては「半分」「1/2」を表します。これは分かりやすいですね。

これが少し転じて、「半ば」のような意味にもなります。
場合によっては「途中である」「未完了である」という意味にもなり得るようです。
- 「半分」「1/2(2分の1)」
- 「半ば」「途中である事」
意味としてはすごく単純で分かりやすいですね。
しかし残念ながら пол- で始まるけれどもその意味では解釈できない語も存在します!
получить(受け取る)は、 по + лучить(許可する、夜中に狩りをする等の曖昧な意味)・・などと解釈されます。
また、полный「完全な」「満たされている」のように、語源的に全く異なっていて意味がむしろ逆になってしまうものもあるので、注意は必要です。つまり、上記の接頭辞で解釈できる一連の語と、そうでないものを一通り整理する必要があると言えます。それによって全体の見通しが良くなるでしょう。
- получить(受け取る)
- полный「完全な」「満たされている」
「半分」などの意味が使える語と、そうでない語に分類して整理しましょう。
接頭辞としての пол- の意味からは解釈できないもののうち、重要な語については、このページの後半でまとめておきますね。
「半分」の意味のもの
では、 接頭辞の пол- は、полу- で始まる具体的な単語を見てみましょう!接頭辞を知る事で、意味は大分分かりやすくなるはずです。
まずは明確に「半分」という意味が表れているものです。
- половина:半分、1/2
- полчаса:30分【1時間の半分】
★ час:1時間 - полкило:500g、0.5kg
- полугодие:半年
★ год:年、1年 - полукруг:半円
★ круг:円
このように、色々なものの「半分」という意味に使えるわけです!便利ですね。
ここで挙げた例以外にも、色々な言葉に対して使われる可能性がありますね。
「半ば」の意味など
次に「半分」という意味に間接的に関わるもの、「半ば」という意味になるものです。
- полтора:「1と半分」「3/2」「1.5」「2分の3」
★『半分』に関係ある事は間違いありませんが、ちょっと把握しにくい語ですね。 - полупроводник:半導体
- полуостров:半島
- полумрак:夕暮れ、明け方、薄暗い事
- полудня:日中
- полуночи:真夜中
полтора という語は、日本語の感覚から言うとちょっと意味が独特ですね。
その他に、必ずしも1/2というではないけど何となく半分っぽいかなーとか、中間あたりかなーという感じの意味で使われるわけですね。
尚、「中間」「平均」という意味の語は、他の記事でも触れていますが середина と言います。これが転じた「環境」「水曜日」などの種々の派生語があります。пол- で始まる語と、合わせて整理して覚えておくといいかもしれません。

остров:島
「カムチャッカ半島」などの「半島: полуостров 」にもこの接頭辞が使われています☆
Камчатка — полуостров в северо-восточной части Евразии на территории России. Омывается с запада Охотским морем, с востока — Беринговым морем и Тихим океаном.
ウィキペディア Камчатка より引用 【太字は当サイト管理人による】
пол- で始まるが接頭辞の意味では解釈できない語
では、接頭辞の意味では解釈できない語についても整理しておきましょう。統一的には意味付けできないものは、それはそれで整理しておくと学習に役立ちますし、理解も深まるでしょう。
■ 接頭辞の意味では解釈できない пол- で始まる単語
■ 単独で用いる пол という名詞
■ 人名 「ポール」は Пол と書く
接頭辞の意味では解釈できない пол- で始まる単語
それでは具体的に見て行きます☆
- получить:受け取る
- полный「完全な」「満たされている」
★ 「『完全に』だめだ」のような比ゆ的な意味でも。
★ полностью:完全に - полно:もうじゅうぶんだ
★ Полно ! という具合に「感嘆文」として使われます。 - ползать:這う【はう】
- положение:状況、姿勢
- пользование:利用
★ временное пользование:一時的な利用 - полномочие:権力、権限
★ 一般的な「力」は сила
これらのうち、полный や полно といった語は、意味としては「半分」等を表す接頭辞とはむしろ意味が逆であるとさえ言えるかもしれないので、明確に区別して整理して覚えておきたいですね。
しかしこれらを見ると、意味としては使われる可能性は結構あるものが含まれていますね。意味的に重要なものに関しては「接頭辞の意味が使えないもの」としてまとめておくと便利だと思います。
単独で用いる пол という名詞
他の接頭辞の по- , про-, под- などは単独で前置詞としての意味も持ちますが、пол- に関しては、「前置詞としては」単独では用いられません。
ただし、名詞として пол という単独の語が存在します!
この単独の пол という語は「性(ジェンダー)・性別」「床」といった意味です。
接頭辞の「半分」などの意味とは、ちょっと関連が見られないですね。古いスラヴ系の言葉からの由来の意味だと解釈されているようです、
「性別」という意味は、男性か女性かという事で、
例えば по возрасту и полу 「年齢と性別によって」などの表現があります。【возраст:年齢】
★ ロシア語には名詞の文法上の「性別」男性・女性・中性がありますが、
この文法上の名詞の「性」の事は、ロシア語では род と言います。
つまり、一般的な性別・ジェンダーの пол とは区別するわけです。
うーん、言葉の使い分けが難しいですが、少しずつ学んでいきましょう☆
他方の「床」という意味は、家の床とか、そのまんまの意味です。
例えば、деревянный пол は「木の床」「木張りの床」という事です。【дерево:木】
一見ちょっと関連がつかみにくい2つの意味があるわけですが、意味的に、どちらも使われる事は割とありそうなので知っておくと便利でしょう。
人名 「ポール」は Пол と書く
また、固有名詞として人名の「ポール」さんの事を Пол と書き、たまたま全く同じつづりになります。もちろん、上記の接頭辞の意味はないですね。
ここで、じつはちょっと注意が必要な点もあります。キリスト教関係で、新約聖書に出てくる使徒「パウロ」は、英語では Paul (ポール)と呼びます。【ギリシャ語: Παῦλος】
では、ロシア語でもパウロの事を Пол と呼ぶのかと言うと、じつは違っていて、ロシア語では パウロの事は Павел と言います。「使徒パウロ」であれば Апостол Павел です。
【参考:ウィキディア Апостол Павел 】
この事に関しては、英語の知識を持ってるとかえって混乱するところかもしれませんね!
はい、では今回はこれで終わりまぁす!ご覧いただきありがとうございます!