ロシア語形容詞の格変化まとめ

今回はロシア語の形容詞の格変化について、詳しく整理します!
「・・ そろそろ、整理しておこうかな~!」という感じです!

形容詞の格変化について、そういうものがあると知りつつも詳しく触れてこなかったのは、なかば意図的です。格変化の暗記をするよりも、単語の語彙数や、他の比較的容易な文法事項を覚えるほうが絶対良さそうな気がしたからなんですね。

ただ、語彙数も少しずつ増えてきて、ロシア語で気を付けるべき文法事項の全体像も同様に少しずつ見えてきたところで、格変化についても詳しく整理していきたいと思いまぁす!!

形容詞の格変化は3パターンある

まずですねー、形容詞の格変化については、具体例でちょこちょこ触れてきた他に、もっと具体的な形でじつはすでに実質的に整理もされているんですね。それは順序数詞(1番目、2番目・・)の格変化のところで整理されているのです。その記事のところでも触れてますが、順序数詞の格変化は「硬語尾」の形容詞と格変化が同じなのです。順序数詞のところでは、その用法での必要性から、生格や前置格について特に具体例で見てみましたね。

「硬語尾」などと言うからには「軟語尾」もあるのか?という話になりますが、実際その通りです。前回の初歩的な形容詞の単語のまとめや、色についてのロシア語単語で詳しく整理してある通り、具体的な形容詞の語尾は3種類(ый, ой, ий )ありましたね。この語尾の違いが 「硬語尾」 (ый, ой) と 「軟語尾」 ( ий )なのです。

まず、それらの違いがあります。次に、語幹の部分( ый, ой, ий を除いた部分)の終わりの文字が何であるかによっても格変化の分類がまた別の分類になります。この特定の場合に当てはまる時は、 硬語尾 か軟語尾かは関係がなくなります。はい、非常に分かりにくいですね!少し整理しましょう。

格変化タイプ別の形容詞の分類
  1. 硬語尾:ый, ой で終わる形容詞【語幹の終わりの文字は н, б, т, л, ・・など】
    холодный:寒い длинный:長い влажный:湿気のある голубой:水色の、青い
  2. 軟語尾:ий で終わる形容詞 【語幹の終わりの文字は н, б, т, л, ・・など】
    средний:中間の、平均の синий:青い
  3. 語幹の終わりが г, к, х の形容詞【硬語尾と軟語尾の形容詞両方】
    жаркий:暑い высокий:高い сухой:乾燥している плохой:悪い、良くない
  4. 語幹の終わりが ж,ч,ш,щ の形容詞:これは2つのタイプに分かれます。
    • 「力点」(アクセントのようなもの)が「語尾にある」もの:
       большой:大きい небольшой:小さい、大きくない 
      ③「語幹の終わりが г, к, х」系と同じ格変化になる。
    • 力点が「語尾にない」 хороший:良い горячий:熱い
      ②「軟語尾の形容詞」【語幹の終わり н 等】とほぼ同じ格変化になるが、
      я と ю のところは а у に変える

これらのうち、4番目のものについては力点の位置によって他の3パターンのどれかに当てはめるという形になるので、実際問題としては格変化の仕方は3パターンであると言えます。
(※ただし、4番目のうち、2つめのタイプについても、このページでは別途に表を掲載してあります。)

これは、正直言って、非常に分かりにくい仕組みになっているように思います!

ちょっとどころではなくて、非常に複雑かもしれませんが、丁寧に1つずつ見ていきましょう。
具体的な色々な形容詞の意味については前回の記事でまとめて整理しています。
холодный:寒い


ただし、じつはこれらの格変化のパターンは根本的に異なるものではありません。大体の「形容詞の格変化の仕方」の大枠みたいな形式があり、その中で1つの文字についてоを使うかеを使うか、といった小さな違いがあるというものになります。ですから、どれか1つが大体分かるようになると、他のものもおおよそ分かるようになると思います。

この事を踏まえて、格変化を表でまとめてみましょう。

硬語尾の形容詞【語幹の終わりが н 等の場合】の格変化

まず最初に、холодный「寒い」を例にとって、 硬語尾の形容詞のうち、語幹が н, б, т, л, ・・等で終わるものの格変化を表にして見てみましょう。上記でも触れたとおり、これは順序数詞の格変化と同じです。
★語幹の終わりの文字については、 г, к, х, ж, ч, ш, щ 以外の全てです。

ой で終わる голубой「水色の・青い」 молодой「若い」 なども同じ変化で、男性・主格のところ(つまり基本的な形)だけが ый で終わる場合と異なります。
ый 語尾と ой 語尾の2つを並べて記しますが、男性・主格の所以外は同じという事を見てください。
※少し分かりにくいですが、対格の不活動体のところは「主格と同じ」という事です。

格\名詞の性 男性 女性 中性 複数
主格 холодный
голубой
холодная
голубая
холодное
голубое
холодные
голубые
対格 活:холодного
  голубого
不:хородный
  голубой
холодную
голубую
холодное
голубое
活:холодные
  голубые
不:хородных
  голубых
生格 холодного
голубого
холодной
голубой
холодного
голубого
холодных
голубых
与格 холодному
голубому
холодной
голубой
холодному
голубому
холодным
голубым
造格 холодным
голубым
холодкой
голубой
холодным
голубым
холодными
голубыми
前置格 холодном
голубом
холодной
голубой
холодном
голубом
холодных
голубых

★造格のところの女性は、холодною にする場合もあります。

★ロシア語の学習をしていると段々と定番になりつつあるんですが、対格のところの「活」は名詞が活動体(人や動物)、「不」は名詞が不活動体(物など)の意味です!

特徴としては、女性のところは生・与・造・前で形が同じである、いくつかの格では男性と中性が同じ形であるといった事が分かりますが、それにしても初見では分かりにくい規則だと感じます!一度に暗記する必要はないでしょうね。特定のところに的を絞って丁寧に確実に慣れていくようにすれば、最終的には全て覚えられると思います。

Она ходила с молодой женщина. 彼女は若い女性と一緒に歩いていた。
молодой「若い」 → молодой 【造格。この場合、見かけ上は変化なし!☆】

Она ходила с молодым мужчина. 彼女は若い男性と一緒に歩いていた。
молодой → молодым【同じく造格。この場合は異なる形ですね】
★ мужчина「男性の人」・・普通は、а で終われば女性名詞ですが、このように意味的に明らかに「男性」である場合はそちらを優先し、男性名詞として扱います。

страна холодного климата 寒い気候の国
холодный「寒い」 → хородного【生格】 климат「気候」 → климата【生格】

軟語尾の形容詞【語幹の終わりが н 等】およびхороший 等の格変化

синий「青い」や、средний「中間の」「平均の」などの格変化は次のようになります!
★これも、語幹の終わりの文字については、 г, к, х, ж, ч, ш, щ 以外の全てです。
хороший「良い」やгорячий「熱い」の格変化については別途に後述します。

格\名詞の性 男性 女性 中性 複数
主格 средний средняя среднее средние
対格 活:среднего
不:средний
среднюю среднее 活:средних
不:средние
生格 среднего средней среднего средних
与格 среднему средней среднему средним
造格 средним средней средним средними
前置格 среднем средней среднем средних

★造格の女性のところは、среднею にする場合もあります。

これは硬語尾の場合と比較して何が異なるのかと言うと、じつはおおまかな変化の仕方は大体似ていて、о → е に変える、 а → я に変える 等の微調整が加わるという形になります。

軟語尾と硬語尾の形容詞の格変化の共通点
  • 生・与・造・前については「女性の部分の形は全部同じ」
  • 生・与・造・前については「男性と中性の形は同じ」
  • 生格の複数と、造格の男性・中性は同じ形

複数形については、
硬語尾の場合の格変化で「ы であるところを и に変えている」というものになります。

管理人がまだ知らないだけかもしれませんが、
この「語幹の終わりがг, к, х, ж, ч, ш, щ 『以外』」の軟語尾の形容詞は、比較的数が少ない??ようにも見えます。
時々、確かに出てくるんですけれどね。

хороший「良い」やгорячий「熱い」の格変化

хороший「良い」、горячий「熱い」は語幹が ж, ч, ш, щで終わり、なおかつ「力点が語尾にない」形容詞です。これらの格変化は、上記の軟語尾の格変化と同じ事になっています。
・・が、面倒な事に、じつは
ж, ч, ш, щ の後には я, ю を書いてはいけない:その代わりに а , у を書く
・・という規則があるそうで(形容詞の格変化に限った話では無く、ロシア語全般で)、そのために上記の軟語尾の格変化とは、少し違ってしまうんですね。
うーん、じつに規則が複雑で分かりにくいです!

実際のところ、変わるのは女性のところの一部だけですが、単純に「軟語尾の格変化と同じ」と覚えてしまうと間違えたり混乱の原因になる可能性もあるので、ここではこれらの格変化の表も、一応記しておきますね。

格\名詞の性 男性 女性 中性 複数
主格 хороший
горячий
хорошая
горячая
хорошее
горячее
хорошие
горячие
対格 活:хорошего
  горячего
不:хороший
  горячий
хорошую
горячую
хорошее
горячее
活:хороших
  горячих
不:хорошие
  горячие
生格 хорошего
горячего
хорошей
горячей
хорошего
горячего
хороших
горячих
与格 хорошему
горячему
хорошей
горячей
хорошему
горячему
хорошим
горячим
造格 хорошим
горячим
хорошей
горячей
хорошим
горячим
хорошими
горячими
前置格 хорошем
горячем
хорошей
горячей
хорошем
горячем
хороших
горячих

★造格の女性のところは、хорошею, горячею にする場合もあります。

さてこれらとは別途に、высокий「高い」のように、語幹の終わりが к の場合は軟語尾の格変化ではなく、次に記す別の格変化をします。少々紛らわしいですが、見ていきましょう。

сухой「乾燥している」высокий 「高い」 болшой「大きい」等の格変化

сухой の他、「疑問代名詞」のкакойは次のように変化します。 また、большой「大きい」の格変化も同じです【語幹がж,ч,ш,щで終わり力点が語尾】。

一応、それぞれの項目で3例ずつ сухой , большой , высокий を記しておきますが、
3つ区別があるという事では無く、男性・主格以外は格変化の仕方が「3つとも同じ」という意味です。

格\名詞の性 男性 女性 中性 複数
主格 сухой
большой
высокий
сухая
большая
высокая
сухое
большое
высокое
сухие
большие
высокие
対格 活:сухого
  большого
  высокого
不:сухой
  большой
  высокой
сухую
большую
высокую
сухое
большое
высокое
活:сухих
больших
высоких
不:сухие
большие
высокие
生格 сухого
большого
высокого
сухой
большой
высокой
сухого
большого
высокого
сухих
больших
высоких
与格 сухому
большому
высокому
сухой
большой
высокой
сухому
большому
высокому
сухим
большим
высоким
造格 сухим
большим
высоким
сухой
большой
высокой
сухим
большим
высоким
сухими
большими
высокими
前置格 сухом
большом
высоком
сухой
большой
высокой
сухом
большом
высоком
сухих
больших
высоких

この変化は、硬語尾と軟語尾の混合変化とも言われます。
大体は 硬語尾の場合と同じで、 ы ではなく и を使用する点が異なっています。

Башня была очень высокой. 搭は非常に高かった。
высокий → высокой【造格】 очень:とても был:~であった

★ был 「~であった」 буду 「~であろう」で名詞と形容詞をつなぐ時は、
形容詞は「主格か、または造格」にします。
これはじつはどちらでもよいようなのですが、主格の場合のほうが口語的、造格の場合のほうが文章語的というニュアンスがあるそうです。
この例文では、「造格」にしています。
尚、「この塔は高い」のように現在形の場合は、形容詞は常に主格です。

страна сухого климата 「乾燥している気候の」国
сухой → сухого【生格】 климат → климата【生格】

Они живут в сухом земле. それらは乾燥した土地に住んでいる。
сухой → сухом【前置格】

形容詞の「短語尾形」と、その格変化

さて、形容詞の格変化は上記の通りなのですが、さらにややこしい事に、形容詞には別途に「短語尾形」というものがあります。これは、「事物の性質を表す形容詞」にのみ存在するというものですが・・それって、結構多くの形容詞には 「短語尾形」 があるという事ですね~。

形容詞の短語尾形の作り方

短語尾形とは、красивый「美しい」に対する красив のような形を言います。
★これは単に語幹の部分を記したのではなく、この形で「男性の短語尾形」として使われます。

短語尾形に対して、通常の形容詞を「長語尾形」と呼びます。

  • 長語尾形 красивый 【いわゆる通常の形容詞。男性・主格】
  • 短語尾形 красив【男性形】

このように、通常の形容詞を文字通りに、少し短くした形にすればよいわけですね!
作り方自体は、分かり易いですね!

・・と、言いたいところなんですが、またもや面倒な場合分けもあります!

холодный「寒い」や、лёгкий「簡単な、軽い」のように、
語幹の終わりが『子音が連続して2つある』」タイプの形容詞では、
短語尾形は、холодный → холоден 、 лёгкий → лёгок のように作ります。

これは、ый や ий を取り払ったうえで、
「2連続の子音の間に о または е を入れる」
・・という作り方なんですね。これは、短語尾形の男性形にだけ適用されます。
「 о または е 」 と言いますが、どちらを入れるかは単語によって異なるようです。
・・これはまた、じつに分かりづらいですね~!

短語尾形の意味合いと用法

では、 短語尾形とは何の為にあるのでしょう。 一般には短語尾形 は「文章語的」なニュアンスを持っているとされます。(逆に長語尾形のほうが口語的とされる事に注意。)その他にも、いくつかの用法があります。重要な用法と特徴を以下に簡単に記します。

  • 短語尾形には「文章語的」なニュアンスがある。
  • 短語尾形は述語として使われる。(「彼は『美しい』」など。)
  • это が主語の時で、形容詞が直接続く場合は必ず 短語尾形にする。
  • 一時的な特徴や性質を表す時は 短語尾形にする。 (例えば、今ケガをしている、など)
  • 形容詞をさらに何かで修飾する時は、その形容詞は 短語尾形にする。
    (例えば「『冬の間は』『寒い』」「『水で』『いっぱいである』」など)

はい、この使い分けは大変面倒ですね!初見で完全にマスターするのは多分無理なので、重要ポイントだけ押さえておくべきですね!

述語として使われるという事は、例えば『美しい絵』という場合には基本的には使われないという事ですね。逆に、それに関連して、 это が主語で、「これは美しい」という場合は短語尾形にするという事ですね(これは口語の場合であってもそのようにするようです)。

  • красивая картина 「美しい絵」・・この場合は基本的には長語尾形
  • Это красиво. 「これは美しい。」 ・・この場合は 短語尾形
  • Эта картина красивая. 「この絵は美しいですね」 ・この場合は基本的には長語尾形
  • Ведро полон воды.「バケツは水でいっぱいになっている」 ・・この場合は 短語尾形 полный「いっぱいである」→ полоно【中性】 вода「水」 → воды【生格】
  • Ведро было полон воды.「バケツは水でいっぱいだった【過去形】」 ・・この場合も短語尾形 полный → полоно

形容詞の短語尾形の格変化

形容詞の短語尾形にも、 短語尾形の中で格変化があります。そんなものまであると、もうわけが分からなくなりそうですね!

しかし短語尾形の格変化はあまり難しくなくて、男性・女性・中性・複数形の4つだけがあります。
しかも、その変化の仕方は動詞の過去形に似ているので(全く同じではないですが)、覚えるのは簡単だと思います!
красивый「美しい」の短語尾形 красив を例に見てみます。

(名詞が)男性 女性 中性 複数
красив красива красивокрасивы

はい、基本的には、これだけでいいみたいです!!

動詞の過去形の作り方と比較すると、複数形のところでиではなくыを用いているところが少し違います。【動詞の過去形は、語幹に л, ла, лоm ли をつけて作る】

★холодный「寒い」のような場合、
上述のように短語尾形の男性形は холоден にしなければいけないのですが、
残りの女性・中性・複数形については普通に холодна, холодно, холодны のように変化します!

今回の内容は、全くの初見だと、かなり複雑で分かりにくい内容だと思います。管理人の場合は、まず具体的な色々な形容詞の単語をある程度覚えてみてから、今回の内容にも取り組んでみました!そうする事で、意外にも、これらの格変化についても結構覚える事ができてしまったかもしれません!!

それでは今回はこれで終わります。ご覧いただき、ありがとうございます!

参考文献・参考資料・リンク

★今回は「形容詞の格変化」を扱いましたが、
名詞の格変化については前置詞についてのまとめで表にしてまとめています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です