ロシア語形容詞の比較級と最上級

今回は形容詞の比較級について学習します!いわゆる「最上級」も一緒に扱いまぁす!

色々な形容詞単語 形容詞の格変化に続いての学習です!

形容詞の比較級

まず、形容詞の比較級の作り方には2種類あります。それと、「~よりも」の表現も2種類あります。これらについて見ていきましょう。

「単一式」比較級の作り方 ■ 「合成式」比較級の作り方
чем「~よりも」 ■ 生格を用いた「~よりも」表現 ■ 接頭辞 по 「少し、やや」

~形容詞の比較級の学習のポイント~
  • 形容詞の2種類の作り方:
       
    • 単一式:語尾を ее же ле че ше などに変化させる
    •  
    • 合成式:более および менее と形容詞の通常の形を組み合わせる
      более「~よりも・・きい」、менее「~より・・でない」
      ★「大きい:большой」の比較級などと微妙に似ていますが、別のものです。
    •  
  • 「~よりも」の2種類の表現:
       
    • чем「~よりも」【接続詞】を用いて表す。
    •  
    • 「名詞 形容詞比較級 名詞」の順番で並べて、後のほうの名詞を「生格」にする
    •  

「単一式」比較級の作り方

まず、形容詞の語尾の部分などを変化させて比較級にする方法です。感覚としては英語に似てるかもしれません。この方法は「単一式」と呼ばれ、要するに形容詞単独の変化で比較級の意味になるわけです。

基本的には、語尾の部分などを ее または е に変える事によって比較級を作ります。
ただし、 語尾を е にする時には語幹の終わりの子音を別の子音に変えたり、いくつかの文字を脱落させる事が普通です。そのため、比較級は ее で終わるか、そうでない場合は実質的に же, че, ше,・・ などで終わるという形になります。

  1. 語尾が ее になる場合:
    語尾の ый や ий を ее に変える: красивый → красивее
  2. 語尾が е になる場合:実質的に же ле че ше ще ле 等で終わる。
    さらに、子音の脱落や変化に関して次のようなパターンがある
    • 語尾を変え、直前の子音1文字も変える: молодой → моложе
    • 語尾を変え、直前の子音1文字を取り払う: жаркий → жарче
    • 語尾を変え、いろいろ取り払う: высокий → выше
    • 語尾を変え、全然異なる形に不規則変化: хороший → лучше

初歩的な形容詞を中心に、どういうものがどういう比較級の形になるかまとめてみましょう!
変化の仕方を表で整理してみますね。

比較級の語尾 еече, же ше, ще, 他
красивый → красивее
теплый → теплее
горячий → горячее
холодный → холоднее
влажный → влажнее
важный → важнее
тяжёлый → тяжёлее
быстрый → быстрее
медленный → медленнее
новый → новее
ровный → ровнее
длинный → длиннее
острый → острее
тупой → тупее
грязный → грязнее
ясный → яснее
милый → милее
сильный → сильнее
слабый → слабее
умный → умнее
счастливый → счастливее
страшный → страшнее
【語幹が一部変化】
солёный → солонее
【че】
жаркий → жарче
крепкий → крепче
мягкий → мягче
лёгкий → легче
резкий → резче
короткий → короче
громкий → громче
【же】
молодой → моложе
низкий → ниже
глубокий → глубже
дорогой → дороже
худой(плохой) → хуже
поздний → позже
близкий → ближе
【ше】
высокий → выше
большой → больше
(много → больше)
маленький → меньше
(мало → больше)
сухой → суше
тонкий → тоньше
далёкий → дальше
тихий → тише
старый → старше
(または старее)
【ще】
толстый → толще
чистый → чище
простой → проще
сладкий → слаще
【ле】
дешёвый → дешевле
【不規則変化】
хороший → лучше
(плохой → хуже)
малый → меньше

これらをざっと見ると、一番簡単な ый → ее のものが一番多くて基本的なのかな、という印象は受けますね。ただし、それ以外のものも、初歩的な形容詞の中に結構ありますね~!

各形容詞の日本語訳はここでは省略しましたが、ロシア語の色々な形容詞単語で整理しています!

★比較級の語尾が ее のものは、 еи という表記になっている事もあります。

тихий:小声の громкий:大声の близкий:近くの далёкий:遠くの
これらを比較級にすると、微妙に形が変わります。

★形容詞の比較級がどの形になるかは、明確な識別方法はなく、結局1つ1つ覚えるしかないと言われているようです・・まあ、ロシア語の学習では、なんかそういうの多いので、個人的には慣れましたが!!
強いて言うと、形容詞で比較級を作るものというのは、全体の中では比較的限られてると思うんですね。例えば、「生きている」「ロシアの」・・といった形容詞では、意味的に比較級を考える必要がないでしょう。比較級が必要になる形容詞は、数自体は確かに少なくはないけれど、多くは初歩的な動詞に集中しているのではないかと思います。
そのため、時間は多少かかっても、個別に丁寧に調べていく方法で対処していけば、実用上「ほとんど調べなくても大丈夫」という段階に至るのではないかと思われます。

「合成式」比較級の作り方

「合成式」の比較級とは、「より・・である」「より・・でない」を表す2単語と、形容詞の通常の形(格変化は、する!)を組み合わせる表現です。

  • более: 「より・・である」
  • менее: 「より・・でない」

более важный :より重要である
менее важный :より重要でない

ここで、形容する対象の名詞によって形容詞は格変化しますが、
более менее は形が変わらないと決まっているとの事です!

なので、ここに関しては、形容詞の格変化さえ把握していれば、
他に覚える変化はないという事になりますね!!
時々こういう「変化なし」っていうのががあると、学習がらくですね~。

形容詞の格変化のパターンは複数あります。ただし、大体は似ています。

чем「~よりも」

さて、「~よりも」を意味する接続詞は、чем です。
これは、英語の than と働きは似ています。

Москва больше, чем Владивосток. モスクワはウラジオストクよりも大きい。

こんな感じで使う事になります!文章を書く時は、コンマが必ず打たれる習慣になっているようです。

чем のあとに続く名詞は格変化しません。そのため、比較的分かり易いかと思います!

生格を用いた「~よりも」表現

чем を使わないで「~よりも」を表現する方法もあります。

この場合、比較級のすぐ後に対象となる名詞の「生格」を置くのです。

★この比較級は、必ず「単一式」のほうを用いる決まりがあります。
またこの時、文章を書く場合はコンマは打ちません。

すなわち、「モスクワはウラジオストクよりも大きい。」という表現を、次のように言う事もできます。

Москва больше Владивостока.
Владивосток → Владивостока【生格】

★名詞の格変化については、前置詞のまとめのところで、詳しく表にまとめています!

これも、名詞の格変化さえ知っていれば(暗記してなくても変化する事自体を知っていれば)、難しくはないですね!

接頭辞 по 「少し、やや」

形容詞の比較級には、語頭に接頭辞の по をつける用法というか、別の単語の作り方があります。また何やらめんどくさそう・・と思いきや、これはそんなに複雑ではありません!

большой「大きい」 → больше【比較級】 → побольше

こんな感じで 接頭辞 по がついた形の比較級単語ができるんですが、
これは一貫して、「やや」「少し」「もう少し」などのニュアンスを比較級の意味に付加するというものになるのです。

побольше であれば「(~よりも)もう少し大きい」「もう少し多い」「やや多い」・・などといった意味合いになるようです。

つまり、比較級の形に по がついたものがあれば、基本的にはそのような意味として解釈できるわけです。

形容詞の最上級

「最も大きい」「一番大きい」などの、いわゆる「最上級」の作り方も見ておきましょう。最上級の場合も、「単一式」と「合成式」の2種類があります。最上級では、合成式のほうが口語でも文語でも使われ、単一式は文語的な表現になるようです。(比較級の場合は単一式のほうがより一般的。)

「単一式」の最上級の作り方 ■ 「合成式」の最上級の作り方

「単一式」の最上級の作り方

大変面倒なのですが、単一式の場合、最上級の作り方も、個々の形容詞の種類によっていくつかの種類に分かれます。

  • -ейший が語尾になるタイプ:比較級で ее 語尾になるものが多い
  • -айший が語尾になるタイプ:比較級で че, же 語尾になるものが多い
  • その他 -ший が語尾になるタイプ:большой → наибольший のようなものなど

一番最後が ший になる事は、基本的に共通してますね。
表にして見てみましょう!!

最上級語尾 ейшийайший ший, 他
красивый → красивейший
теплый → теплейший
холодный → холоднейший
тяжёлый → тяжелейший
быстрый → быстрейший
медленный → медленнейший
новый → новейший
ровный → ровнейший
длинный → длиннейший
грязный → грязнейший
сильный → сильнейший
слабый → слабейший
важный → важнейший
【比較級の語尾がще等】
толстый → толстейший
простой → простейший
【母音脱落・交替など】
худой(плохой)→хуейший
(またはхудший)
дешёвый → дешевейший
【比較級語尾が че】
мягкий → мягчайший
лёгкий → легчайший
громкий → громчайший
【比較級語尾が же】
низкий → нижайший
(またはнизший)
дорогой → дорожайший
близкий → ближайший
【他】
высокий → высочайший
(またはвысший)
тонкий → тончайший
тихий → тишайший
сладкий → сладчайший
【比較級語尾 ше・不規則】
большой → наибольший
маленький → наименьший
хороший → наилучший
(またはлучше)
плохой → наихудший
(またはхудший)
малый → меньший
(またはмалейший)

比較級の表にはあって、上記の表には入ってないものがあります。
例えばкороткий「短い」молодой「若い」сухой「乾燥している」далёкий「遠い」старый「古い」・・などはその例で、これらは基本的には、最上級は次に述べる「合成式」で表現する事が標準であるようです。

низший という語は「最下の、下位の、初等の、・・」などを表す単独の形容詞で、意味的に「最も下」という事を実質的に表す事があるようです。
また、хороший「良い」の比較級 лучше は、その形のまま最上級の意味になる事があるようです。

★これらの、単一式の最上級の形は、形容する名詞の性・格によって格変化させて使います。
「え~っ!」ただし、その格変化の仕方は、形容詞の格変化と同じになります。
具体的には、 語幹の終わりが ш になるタイプ、つまり хороший「良い」などと同じ格変化です。(単一式の最上級は、特殊な変化するものを除くとどのタイプも ший で終わってますね。)
一応、表で例を記しておきます! новейший「最も新しい、最新の」を例にしますね。

格\名詞の性 男性 女性 中性 複数
主格 новейший новейшая новейшее новейшие
対格 活:новейшего
不:новейший
новейшую новейшее 活:новейших不:новейшие
生格 новейшего новейшей новейшего новейших
与格 новейшему новейшей новейшему новейшим
造格 новейшим новейшей новейшим новейшими
前置格 новейшем новейшей новейшем новейших

「合成式」の最上級の作り方

самый という語を形容詞につける事で、「もっとも大きい」などを表せます。これが「合成式」に分類される最上級の作り方で、口語でも文語でも使われるとされます。

самый большой город :最も大きい町 【男性・主格】

город:町(街、都市) деревня:村 という意味になります。

これは単純に並べるだけなのですが、「男性・主格」などと説明を添えた通り、
じつは самый を形容詞と一緒に格変化させる必要があります
「え~っ!」ただし、その変化の仕方は一般の硬語尾の形容詞の格変化と同じです。
例えば холодный 「寒い」と同じ格変化であると言う事です。一応、самый の格変化も表にして記しておきますね。

格\名詞の性 男性 女性 中性 複数
主格 самый самая самое самые
対格 活:самого
不:самый
самую самое 活:самые
不:самых
生格 самого самой самого самых
与格 самому самой самому самым
造格 самым самой самым самыми
前置格 самом самой самом самых

самая большая деревня :最も大きい村【女性・主格】
самый → самая большой → большая

население самого большого городa :「最も大きい町の」人口【男性・生格
самый → самого большой → большого город → городa

「最上」と言いますが、複数形の最上級・・「最も大きい『国々』」などというものもあります。
(英語などでも同じ考え方をしますね。)
例えば、「最も●●である■■の『1つ』」などは 前置詞 из 【基本の意味は「~から(出る)」等。続く名詞は生格にする】を用いて、次のように表現します。

один из самых больших городов:最も大きい町の1つ【複数・生格
самый → самых большой → большых город → городов один:数字の「1」【個数詞と言う】を意味します
この表現の時に、один は、対象の名詞の性別に合わせる事に少しだけ注意が必要です。
つまり、もし「最も大きい村の1つ」と言うなら одна из самых больших деревень です。
самых больших 「最も大きい」の部分は、複数形のままです。うーん、ややこしいですね。

1個,2個,3個・・などで用いる数字については、文法的には「個数詞」と言い、過去記事で詳しくまとめてあります。

次の引用のように、「最も大きい動物の1つ」など、色々な場面で用いられる表現ですね。

Слон — один из самых больших травоядных животных, наделённый длинным чувствительным хоботом.

https://zoolog.guru/domashnie-zhivotnye/opisanie-travoyadnyh-zhivotnyh-i-ih-spisok.html より
слон:象 травоядный:草食性の  животное:動物
хобот:象の鼻(普通の鼻はнос) чувствительный:敏感な、応答性のある、等の種々の意味
「~は・・である」は、―(ダッシュ記号)で結んで表現します。
длинным:長い 象の鼻は、長いですね。

それでは今回はこれで終わります!ご覧いただき、ありがとうございます!

参考文献

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