ロシア語の人称代名詞、物主代名詞、疑問代名詞の格変化

今回は、人称代名詞物主代名詞疑問代名詞の格変化について詳しく整理します!

目次:

  1. 人称代名詞とその格変化:「私」「私達」「君」「彼」「彼女」「それ」・・等
  2. 物主代名詞とその格変化:「私の」「君の」「彼の」・・等
  3. 疑問代名詞とその格変化:「何の」「どんな」「誰の」・・等 

「私」「僕」の事を1人称、「君」「あなた」の事を2人称、その他の「彼」「彼女」「それ」「犬」「家」「石」・・などを3人称と言います。この1人称・2人称・3人称という語を、このページでは頻繁に使用いたします。

もっとも、じつは、こういう1人称とか3人称という文法の言葉は、外国語に慣れてきて分かるようになってきたら、本当はあまり使わないほうがいいんですけどね。
つまり、文法の説明のためには有効である場合もある用語なのですが、実際に外国語を活用する場面(読む・書く・聴く・話すを問わず)では退場いただく感じのものになります。
「要するに文法上3種類に区別される」事が感覚的に分かればじゅうぶんであるからです。

それを踏まえて、今回の内容行ってみましょー!今回『も』、結構面倒な事項のオンパレードですが、個人的にはロシア語はこういうものである・・という自体には、結構慣れてきました!!!

人称代名詞とその格変化

まず、「私」「君」「彼」・・などの「人称代名詞」を見てみましょうね。私:я 私達:мы
君:ты【丁寧:вы】 君達:вы 彼:он 彼女:она それ【中性用】:оно 彼ら彼女ら:они
これらは「主格」の形であり、「対格」や「造格」や「前置格」の形もある・・というわけです!

人称代名詞の格変化の表まとめ! ■ 人称代名詞を前置詞と一緒に使う時の注意点! 

人称代名詞の格変化の表まとめ!

それでは表にして、人称代名詞の格変化を見てみましょう。暗記は必要ないと思います!

★ 格変化について、対象となる当人の性別については、「3人称の『単数』」の場合のみ、男・女・中の区別があります。複数形の場合、3人称でも性別の区別はなく、1つに統一します。また、3人称の単数でも、主格以外の格においては、男性と中性は同じ形になり、男女の区別だけがあります。
★ 2人称の複数形 вы は「単数の2人称の丁寧な言い方(あなた)」にも使われますが、複数形として使う場合も単数の丁寧版として使う場合も格変化は同じです。

【表中の便宜上の表記:①は1人称、②は2人称。「単」は単数(私)「複」は複数(私達)の事です。】

→人称
↓格
1人称と2人称
私・きみ
3人称
彼・彼女・それ
主格 単:①я ②ты
複:①мы ②вы
男:он 女:она 中:оно
複:они
対格 単:①меня ②тебя
複:①нас ②вас
男:его 女:её 中:его
複:их
生格【格変化は対格と全く同じ】
※「~の」は物主代名詞を使う
単:①меня ②тебя
複:①нас ②вас
男:его 女:её 中:его
複:их
与格 単:①мне ②тебе
複:①нам ②вам
男:ему 女:ей 中:ему
複:им
造格 単:①мной ②тобой
複:①нами ②вами
男:им 女:ей 中:им
複:ими
前置格 単:①мне ②тебе
複:①нас ②вас
男:нём 女:ней 中:нём
複:них

★ 3人称のところの его という形は、後述する「物主代名詞」の形と同じになるので少し紛らわしいですね。実質的に覚える形が少なくて済む・・と考える事もできますが、注意も必要ですね。与格の複数形と造格の男性・中性形が同じ形である事など、形容詞の格変化と似る部分もあります。

★通常の名詞の場合、「町の地図」と言う場合に、 「町 」を生格にすればよいという用法があります。しかし、代名詞の場合、「私の家」と言う場合には、「私の」の部分は、人称代名詞の生格ではなくて、物主代名詞を用いる事になっています。そのため、人称代名詞の生格は、他の用法で用いる事になります。

У меня есть сестра.  私には姉がいる。
я → меня【生格】 сестра:姉(妹) есть:~がいる、ある【転じて、「~を持っている」等】

У вас есть ручка ? ペンはお持ちですか?
вы → вас【生格】(丁寧な2人称単数のほう)  ручка:ペン

格変化のルールを一度に押し付けられると大変ですが、丁寧に1つずつ見て行きましょう。

ロシア語では前置詞の後に続く名詞は格変化をしますが、その名詞が人称代名詞であっても同じ規則が適用され、格変化した形を用いるわけです。


ただし、前置詞を用いる時は、人称代名詞に対してちょっとした面倒な規則が適用されます。特に3人称の場合は、上記の表の形をさらに変化する(!)事になります。それについて以下に記します。

人称代名詞を前置詞と一緒に使う時の注意点! 3人称と1人称単数

人称代名詞を前置詞と一緒に使う時の、ちょっとした注意点を見ておきましょう。
注意が必要になるのは3人称(単数複数・全ての性別に対して)と、1人称の単数(つまり「私」)です。
1人称に関しては、複数形「私達」の時はここでのルールは適用されません。

3人称の人称代名詞の場合 ■ 1人称「単数」の人称代名詞の場合 

■ 3人称の人称代名詞を「前置詞とともに使う時」

上記の格変化の表を見てみると、3人称の格変化で前置格のところだけ нём のように、н がつく形になっていますが、
じつはこれには意味があって、他の格についても、前置詞と一緒に用いる時は頭に н をくっつけて
его → него  её → неё  их → них のような形にするという決まりがあります。
これまた分かりにくい規則ですが・・知っておくと役立つと思います!

★ 3人称の人称代名詞を「前置詞と一緒に使う時」

前置詞とともに3人称の人称代名詞を用いる時は、次のような形になります!(н をつけるだけです!)

  • 対格と生格:
    男:его 女:её 中:его 複:их → 男:него 女:неё 中:него 複:них
  • 与格:
    男:ему 女:ей 中:ему 複:им → 男:нему 女:ней 中:нему 複:ним
  • 造格:
    男:им 女:ей 中:им 複:ими → 男:ним 女:ней 中:ним 複:ними

主格は基本的に前置詞の後に続かず、前置格は最初から н がついた形で表に書いてあります。
表に書いてある通り、生格と対格は全く同じ形ですのでここではまとめています。

■ 1人称「単数」の人称代名詞を「前置詞とともに使う時」

もうひとつ、前置詞を使う時に注意が必要なのは1人称の「単数形『私』」で、
この場合は人称代名詞の格変化は上記の表の通りでよいのですが、前置詞のほうが、形が変化します
この時、前置詞によって変化するものと変化しないものがあり、上記の例のように у は「変化しない」部類のほうのものです。
また、1人称でもこれが適用されるのは単数形「私」の時だけで、複数形「私達」の場合は適用しません。
・・これもまたややこしいですが、整理しておきましょう!!

★ 1人称単数の人称代名詞「私」を「前置詞と一緒に使う時」

1人称単数の人称代名詞「私」と一緒に使う時に、形を変化させる前置詞については、
「語尾に о をつけた形」にします。(1つだけ бо をつけます。)

  • 形が変化する前置詞:к над перед под с в о
     к над перед под с в о
    ко надо передо подо со во обо
  • 形は特に変化しない前置詞:у из до между черезпо без вокруг ・・
    など、種々の前置詞はそのままの形で用います。

つまり、この場合に関して言えば、к「『~のところへ』など」に対する ко というのは全く別の前置詞を考えているわけではなく、同じ前置詞の別表記であるという事です。
他方、с に関しては、ここでの場合の他にも со の形を用いる事があります。ややこしいですね。

例えば、「私と一緒に」と言う場合、前置詞 с を使うわけですが、
この時に全く同じ前置詞を со という形にして用いるという事です。

Пойдёмте со мной. 私と一緒に行きましょう。
с「~と一緒に」 → со【形が変わるだけで意味は全く同じ】 я → мной【造格】

これに対して、「私達」の場合は、前置詞は普通通りの形です。うーん、ややこしい!!

Пойдёмте с нами . 私達と一緒に行きましょう。
с はそのまま使う! мы → нами【造格】

この、「1人称単数『私』が使われる事による前置詞の変化」は、基本的には о を後ろにつけるだけなのですが、「 о(~について)という前置詞」の場合は、бо をつけて обо にします!

Он слышал обо мне. 彼は私について(の話をすでに)聞いていた。
о「~について」 → обо【「私」が使われるための変化】 я → мне【前置格】

ロシア語の前置詞については過去の記事で詳しくまとめています。
前置詞 с はいくつかの意味があり、「~と一緒に」の意味の時は名詞は造格、
それ以外の意味の時(この時に со の形を用いる事がある)は名詞は生格にするなど、少し面倒な規則があります。

物主代名詞とその格変化

「物主代名詞」とは、少々聞きなれない用語ですが、要するに「私の」「君の」「彼の」・・英語で言うと my, your, his, her, its, our, their ですね。

ロシア語の場合も考え方は似ていますが、「私の家」「私のネコ」のような場合の「家 :дом 【男性】」「ネコ(♀):кошка【女性】」の男・女・中・複数も考慮する必要があります。つまり、同じ「私の・・」と言う場合でも、対象の名詞の性別に合わせて、「私の」の部分の形も変える、という事です。
「私」の性別ではなくて、所有などの対象となる名詞の性別によって「私の」の部分の形が変化するのです。
(※現代英語以外のヨーロッパの言語ではそういう事は割と普通です。)

そして、それがさらに主格・対格・生格・・・の形に分かれます!「・・???」
分かりにくいですよね!ここでは、2段階に分けて表を記しますね。

  1. 主格の場合の、名詞の性別による変化
  2. 対格・生格・与格・造格・前置格ごとの格変化
мальчик:男の子  девочка:女の子
「私」や「君」の性別ではなく、所有する対象の名詞の性別と単数・複数を見ます。
книга「本」は女性名詞で、「僕の本」と言う場合も моя книга 【мойではなくて】のようにします。
「私達の家」と言う場合も、「家(男性・単数)」に合わせて、
「私達の」の部分を наш(「男性・単数」用)にするのです。

① 物主代名詞:主格の場合の、名詞の性別による変化

大変分かりにくいですが、まず主格の場合の表を記しておきますね。
★ これらのうち、3人称の「彼の・彼女の・彼らの」の部分は1つの形しかないので、
ごちゃごちゃと変化するのは1人称と2人称という事になります!

★ 表中の「男性・女性・中性・複数」は、所有などをしている対象の名詞等の性別です!
例:「これが僕のネコ(♀)だよ。」Это моя кошка. 【物主代名詞は主格・女性形
「僕」ではなくてネコ♀ кошка に合わせて「主格・女性」の形を用いるのです。

1人称 2人称3人称
対象が男性
~の「男性名詞」
単【私の】:мой 
複【私達の】:наш
単【君の】:твой 
複【君達の】:ваш
彼の:его
彼女の:её
彼らの:их
対象が女性
~の「女性名詞」
単【私の】:моя 
複【私達の】:наша
単【君の】:твоя 
複【君達の】:ваша
対象が中性
~の「中性名詞」
単【私の】:моё 
複【私達の】:наше
単【君の】:твоё 
複【君達の】:ваше
対象が複数
~の「名詞複数形」
単【私の】:мои 
複【私達の】:наши
単【君の】:твои 
複【君達の】:ваши

3人称のところについては、対象の名詞の性別によらず同じ形という事です。つまり英語の場合と同じように考えてよく、「彼のネコ(♂)」と言う場合も「彼のネコ(♀)」と言う場合も、「彼の」の部分は同じ形 его を用いると言う事です。

同じ「私」に対して мой кот , моя кошка とするが
同じ「彼」に対して его кот , его кошка でよい【同じ形を用いる】・・という事です。

「この本は私のです」と言う場合も、これらの物主代名詞がそのまま使われます。(※英語の場合、my, mine, や your, yours のように区別される。)

★ 物主代名詞は「定語」と「述語」の両方で使われる
  • Эта книга моя. ・・「この本は私のものです」【述語】
  • Это моя книга. ・・「これは私の本です」【定語】

両方の例で、моя「私の」【対象が女性用】が使われるわけです。
「この家は私のです」であれば Этом дом мой. になります。
「これは私の家です」であれば Это мой дом. になります。
эта, это, этом, ・・等の指示代名詞の使い方は、過去記事で詳しくまとめています。

② 物主代名詞:対格・生格・与格・造格・前置格ごとの格変化

それでは次に、「私の~」「君の~」を対格、生格・・等にした時の格変化を見ます。ここで、じつは3人称の物主代名詞は全ての格で主格の形が適用されるので覚える必要がありません。

Point:物主代名詞の格変化は1人称と2人称だけ考えればよい

★主格の場合、3人称に関しては「彼の」「彼女の」「彼らの」ごとに、1つの形を用いれば良かったわけですが、じつはこれらの主格の形が全ての格について同じ形になります。つまり、3人称の場合は、 「彼の:его 」「彼女の: её 」「彼らの: их 」 だけを知っていればよいわけです。
そのため、対格、生格・・の格変化の表も、1人称と2人称についてのみ記します。

мой と твой は同じ格変化、наш と ваш が同じ格変化になります。

(名詞が)男性 女性 中性 複数
主格 単:①мой ②твой
複:①наш ②ваш 
単:①моё ②твоё
複:①наше ②ваше
単:①моя ②твоя
複:①наша ②ваша
単:①мои②твои
複:①наши ②ваши
対格 活動体:生格と同じ
不活動体:主格と同じ
単:①мою ②твою
複:①нашу ②вашу
単:①моё ②твоё
複:①наше ②ваше
活動体:生格と同じ
不活動体:主格と同じ
生格 単①моего②твоего
①нашего②вашего
単:①моей ②твей
複:①нашей②вашей
単①моего②твоего
①нашего②вашего
単:①моих ②твоих
複:①наших②ваших
与格 単①моему②твоему
①нашему②вашему
単:①моей②твей
複:①нашей②вашей
単①моему②твоему
①нашему②вашему
単①моим ②твоим
複①нашим②вашим
造格 単①моим ②твоим
複①нашим ②вашим
単:①моей ②твей
複:①нашей②вашей
単①моим ②твоим
複①нашим ②вашим
単①моими ②твоими
①нашими②вашими
前置格 単①моём ②твоём
複①нашем②вашем
単:①моей ②твей
複:①нашей②вашей
単①моём ②твоём
複①нашем②вашем
単①моих ②твоих
複①наших②ваших

★ 少々込み入っていますが、基本的には、形容詞の格変化に似ています。
★ 対格の男性・複数のところはレイアウトの都合上こう書きましたが、基本的には他の語の格変化でも、活動体と不活動体で分ける場合は同様に「活動体:生格と同じ 不活動体:主格と同じ」になります。

Расскажите о твоём кот. 君のネコ(♂)について話して(教えて)ください。
твой → твоём【前置格(男)】 о:~について рассказывать:伝える、(教える)

★ 基本的には形容詞の格変化に似ている!
  • 女性は生格・与格・造格・前置格は同じ形
  • 生格・与格・造格・前置格 で男性と中性は同じ形
  • 与格の複数と造格の男性が同じ形
  • 生格の男性は его で終わる、与格の男性は ему で終わる
    【「軟語尾」の形容詞と同じ。硬語尾の場合は ого, ому】

・・などですね。
мой とтвой の前置格・男性のところのように、形容詞の場合とは微妙に違うところもあるので混同しないように注意は必要ですが、基本的には似ているという事をつかむのは理解のポイントと言えます。
それによって、独立に暗記するのではなく、別の知識や感覚を使えるからです。

ロシア語の形容詞・物主代名詞等の格変化の特徴
絶対的な規則ではありませんが、格変化にはパターンというか似ている「形」のようなものがあり、その感覚をつかむとロシア語の学習が進むかもしれませんね。
「硬語尾」の形容詞の格変化の場合などは、и ではなく ы を用いますが、全体的な変化の仕方は根本的に異なるわけではなく、似ているところがあります。

疑問代名詞とその格変化

疑問代名詞とは、尋ねる時に用いる「 что :何」 や「 кто :誰」 「 чей:誰の」 「 какой :どんな」 などです。 что кто に関しては、性別による変化はなく、主格、対格、生格、・・の違いによる格変化だけが存在します。

какой の格変化  ■ чей の格変化 ■ что と кто の格変化 

какой の格変化

まずは、какой の格変化です。

格\名詞の性 男性 女性 中性 複数
主格 какой какая какое какие
対格 活:какого
不:какой
какую какое 活:каких
不:какие
生格 какого какой какого каких
与格 какому какой какому каким
造格 каким какой каким какими
前置格 каком какой каком каких

このように、基本的には形容詞と同じような感覚で変化するわけです。また、じつは какой については、
格変化は сухой「乾燥している」высокий 「高い」などの形容詞の格変化と全く同じです。

В каком городе ты живил ? 君はどんな町に住んでいたのだ?
какой → каком【前置格(男性)】 город → городе【前置格】
живить「住む」→ живил【過去形(男)】

В какой деревне ты живила ? 君はどんな村に住んでいたの?
какой → какой【前置格(女性)※主格と同じ形】 деревня「村」 → деревне【前置格】
живить「住む」→ живила【過去形(女)】

Ибо я уверен, что ни смерть, ни жизнь, ни Ангелы, ни Начала, ни Силы, ни настоящее, ни будущее,

ни высота, ни глубина, ни другая какая тварь не может отлучить нас от любви Божией во Христе Иисусе, Господе нашем.

http://www.russianbible.net/ より【新約聖書 ローマの信徒への手紙(ロマ人に達する書)8章38-39行のロシア語訳】

別の例として、過去の記事でも引用した文ですが、
聖書の中で「他のどんな被造物(も・・)」のところで例えば使われております。
другая какая тварь другой:他の какой「どんな」 → какая【主格で女性ですね】
тварь:生き物(※該当箇所の現代日本語訳は、「被造物」という語を使ってるようです。)
また、最後のところの нашем は、このページの前半で扱った「私達の」ですね。


それに対して、чёй「誰の」の格変化は、形容詞に似てますが微妙に違う所があります。

чей の格変化

次に、чей の格変化です。
男性の主格以外のところは、軟音符を用いて語幹が чь になっているところが特徴です。

格\名詞の性 男性 女性 中性 複数
主格 чей чья чьё чьи
対格 活:чьего
不:чей
чью чьё 活:чьих
不:чьи
生格 чьего чьей чьего чьих
与格 чьему чьей чьему чьим
造格 чьим чьей чьим чьими
前置格 чьём чьей чьём чьих

語尾に о ではなく е を用いる(ей, его,ему)という点は軟語尾の形容詞に似ていますが、前置格の男性のところは ём にする( ем ではなくて)などの相違点もあります。
この、形容詞との共通点と相違点は上述の мой ,твой の格変化と同じです。
【★なので、чей の 格変化は мой ,твой の格変化の仲間として扱われる事もあります。】

Чья это шляпа ? これ、誰の帽子?
чей → чья【主格・女性】 шляпа:帽子 это は、ここでは「これは~です」で使うほう(※)
【※「この帽子」と言うのであれば эта шляпа】

чей の主格以外の格について、どう使うのか少し分かりにくいかもしれませんが、前置詞と組み合わせて、
в чьём доме 「誰の家の中で」【前置格】
о чьём семье「誰の家族について」【前置格】
・・のような使い方がなされるようです。
これらは、通常の疑問よりも、「間接疑問」で使われる場合のほうが多いのかもしれません。例えば「これが『誰の作品についての記事か』私は知らない」などです。

что と кто の格変化

「что :何」 や「кто :誰」 を主格以外の格で用いるのは、疑問において前置詞を使う時や、「何に対して・・なのか?」などと言う場合です。
この場合、кто は日本語訳としては実質的に「何」という意味にもなります。
(※「誰の」は、上述の通りчей を用います。)

これらの格変化は、性別による変化はありません。なので、変化自体は分かり易いです!
難しいのは、具体的にどういう場面で使うかの正確な把握ですね。なぜ難しいかというと、前置詞や動詞によって、続く名詞の格が色々と個別に決められていて一定しないためです。これは что や кто の例に限った話ではないのですが、焦らずに1つ1つ、地道に把握していきましょう!

что【主格】 кто【主格】
対格 что【主格と同じ】 кого【生格と同じ】
生格 чего кого
与格 чему кому
造格 чем кем
前置格 чём ком

Чем вы интересуетесь ? あなた様は何に興味をお持ちですか?
что → чем【造格】 【ここでは вы は「君達」ではなく「あなた」の意味としています。】
интересоваться「~に興味がある」を使う時の名詞は「造格」にする決まりがあります。疑問形にする時も、この動詞を用いる時はчто を造格にするわけです。
この種の動詞は、他に заниматься「~(勉強・スポーツ等)をやる」があります。

Кем вы работаете ? あなた様の御職業は何ですか?
кто → кем【造格】 この場合は кто のほうを造格にして用います。(что ではなく)
работать「仕事をする」を用いて職業を言う時は、職業名は「造格」にする決まりがあります。
Он работает инженером. 彼は技士として働いている。
инженер「エンジニア、技士」 → инженером【造格】
この「造格にする」規則が、疑問形でも適用されるわけです。

尚、что は「・・だと思う」「・・だと言う」等の時に接続詞としても使いますが、その場合は疑問代名詞ではなく接続詞ですので、一貫して что の形を用いる事になります。うーん、それにしても決して単純ではなく、ゆっくり覚えていくべきものですね。

今回はこれで終わります!ご覧いただき、ありがとうございます!

参考文献・参考図書

※参考図書のリンクは外部リンクです!

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